図工室では、「自分の素直な気持ちを、自由に表現するよろこびを知ること」が大切と考えています。
小・中学校で図工美術を教えていた頃、高学年になってくるとクラスの中に何人かは「図工が苦手・嫌い」という生徒がいました。その訳は「上手に作れない(描けない)から」というものでしたが、よく見ていくと、真の原因は「自分の表現したいものがわからない」ということではないかと気がつきました。
それに比べて、低学年くらいの子供たちはみんな作ること、描くことが大好きです。どこでその変化が生まれてくるのでしょうか。
それは、小さい頃に自分の表現がきちんと、親や先生、友達に認められたか、また伸び伸びと自主的に制作に取り組んだ経験がどれだけあるか、にかかってきているように思います。またそういう子供たちは自然と、自分に合った高い技術を身につけていきます。
くじら図工室では、”見栄えの良い作品”をつくらせる指導はいたしません。
大人が主体となって「ひっぱりあげる」指導をするのではなく、たくさんの素材や道具、プログラムの中で、その子が発見した「気づき」こそ大きな成長のチャンスと捉え、横から刺激を与えるサポーターという立場でアドバイスをしていきます。
自分で決めて、自分でやりぬいた、そんな経験をたくさん積んで、自信を持って成長していって欲しい。
そして自分の気持ちや表現を、きちんと伝えられる人になって欲しい。
子供達を取り巻く環境が、これからどんな風に変わっていくのかわかりませんが、少しでも、この図工室での経験が、未来に活きることがあれば幸いです。
①ジャンルを超えた幅広いプログラムを通して 子供たちの創造性を引き出します。
絵画や工作だけでなく、共同制作や映像制作、また総合的な学習要素のある制作を通して幅広い経験ができます。そのため、制作に苦手意識の あるお子さんでも、自分の得意分野を見つけ意欲的に取り組むことができます。また常に新鮮な気持ちで楽しく制作できるよう、毎回違うプロ グラム内容を用意しています。
②たくさんの素材、道具を使う機会があります。
様々な素材や道具を使いこなせるようになることで、自分でできること、 考えつくことが、どんどん広がっていきます。 木材や石膏、ウレタンやスチロールなどダイナミックな制作ができる素材はもちろん、身の回りにある素材を工夫して使うことで、新しい発見や組み合わせの面白さを感じることができます。
③いろんな作品を見る機会をつくっています。
古今東西の作家の作品を鑑賞することで、いろいろな表現方法があるこ と、アートには様々な価値観があることを伝えています。実際に、その 技法や表現方法を生かして、制作する機会も作っています。 また長期休みなどには美術館遠足なども企画しています。