「抽象表現」
授業のはじめ、ホワイトボードに書かれたこの言葉を見て、中、高学年くらいのみんなはキョトンとしておりました。それもそうでしょう。一言では説明できないこのテーマ。この僕も、もし唐突に「抽象表現って何?」と訊かれたら、背中に変な汗かきそうです。
言葉での説明は程々にして、みんなにやってもらったのは、ジョアン・ミロの作品観賞と、ミロ風の切り絵の制作でした。これを機にモチーフを単純化したり、面白い形に置き換えたりする事が抽象表現の一つと学習したみんなに、今度はもっと自由な表現をしてもらおうと思いまして、今回はそんな自由な表現大爆発の作品達を紹介したいと思います。
その授業にあたって、みんなには抽象画ではない名画(具象画)を何枚か見せました。その中から気に入ったものを選び、その名画を抽象画に変えてしまおう!と、試行錯誤してもらった結果が ↓ です!
はい、なかなか興味深い雰囲気のこの2枚、じつは同じ具象画 ↓ をモチーフにしています。
こうして見比べてみると、元の絵に描かれたいろんなオブジェクトを、それぞれ違った形で表している事がわかりますね。面白い!
まだまだ個性が光る作品があるので、モチーフとなった名画と見比べてお楽しみください。↓
今回のこの授業、みんなが「抽象表現」をちゃんと理解できたかは、正直わかりません。しかし、自分だけの面白い表現で何かをアレンジしようと真剣に考えると、こんなにも独特な作品になるんだということが、みんなにも意外だったみたいです。
この授業のあと、「先生、ボク最近ね、抽象画を描くのにハマってんだ」と言うシブい子(小学3年)もいたので、ああよかったと、難しそうな観念でも、理論だけでなく体験を通して感覚的に教えれば、スゥーっと伝わるんだなと、実感した次第です。